幸福論~微分係数編~

幸福論~微分係数編~

拉致被害者家族の横田滋さんが亡くなりました。享年87歳だったそうです。
とても残念で、とても悔しくて、とても痛ましいことだと感じます。
記者会見で、妻・横田早紀江さんは「何も思い残すことがないほど、拉致解決に全身全霊で打ち込み、頑張ったと思っています。」と言っていました。
もしも本当にそう思えるのであれば、せめてもの救いだったのではないでしょうか。

私は、拉致問題にそこそこ関心が深い方だったのですが、拉致被害者家族の皆さんや政府やマスコミ、そして世の中の多くの人々が口にする問題は、以下のようなことに集約されていたと思います。

  • いつ解決できるのか?
  • どうすれば解決できるのか?
  • なぜ解決できないのか?
  • 解決のために何ができるのか?

…といった内容です。
つまり、「拉致問題の解決」のための考察が中心だったのではないでしょうか。(当然と言えば当然です。)ですが、それとは別に、私はちょっと違うことにも同時に関心を抱いていました。

それは、横田さん一家をはじめ拉致被害者のご家族の方々の”幸福”についてです。仮に、拉致問題が解決しない、または、解決までに長い年月を要した場合に、彼らの幸せはどうなってしまうのか? ということです。

また、ちょっと不謹慎かもしれませんが、こんなことも考えていました。
それは…、

「むしろ、横田さん一家のことを羨ましいと思っている人たちもいるのではないか?」

…ということです。

テレビの特集などでも放送されましたが、横田さん夫妻は、元気にスクスクと育った愛する子供たちと、少なくても数年間はいっしょに暮らすことができています。ところが、たとえば、重度の障がいを抱えた子を持つ親たちや、子供が欲しくても子宝に恵まれない夫婦や、そもそも結婚すらできない適齢期を超えた人たちなど、ほんの一時(いっとき)ですら、元気にスクスクと育った愛する子供たちとの時間を過ごすことが出来ない人たちが、世の中には大勢あふれているのですから…。

話は突然変わりますが、最近はすっかり話題にもならなくなったAKB総選挙(まだやってるのかな?)で、ちょっと考えると不思議な現象が起こっていました。
前回1位だったメンバーが2位に落ちると悔し涙を流し、前年が圏外だったメンバーが60位にランクインされようものなら大喜びで歓喜の涙を流したりします。

単純に考えれば、2位と60位では、現時点での人気・ファンの数・テレビ等に出演する機会・お給料などにおいて雲泥の差があるはずです。前回との比較さえしなければ、当然、2位の方が圧倒的に嬉しいはずなのに、なぜ、2位が悔し涙で60位が歓喜の涙なのでしょうか?

このことについて、皆さんは、真剣に考えてみたことはありますか?

高校生のころ、私は「幸福の度合いは微分係数で表せられる」という仮説を立てたことがあります。(ひょっとすると、理系の人にしか分からないかもしれませんが…)
微分係数とは、グラフ上の特定の一点における「傾き加減」を表わす数値のことを言います。グラフを表わす関数に対して微分計算を行なうことで導き出すことができます。

つまり、人生においても、上り調子のときは幸福で、下り調子のときは不幸である、ということを、私は言いたいのです。

要するに…

「何か一つでも夢や希望や目標を持ち、そこに向かって着実に進んでいけば、現時点でどの程度の達成レベルであっても幸せでいられる。」

…ということです。

言い換えれば…

「何か一つでも夢や希望や目標を持ち、自分自身を成長させたり成果を積み上げたりする努力を、少しずつでもいいから毎日続けられれば、それだけで幸せでいられる。」

…ということではないでしょうか?

これまでの自分の人生に当てはめてみても、確かにそう思える面があります。小学校・中学校・高校生のころなどは、ある日突然「将来の夢」がガラッと変わるようなことも何度かありましたが、私は、基本的にいつも夢を持って生きています。これは本当に幸せなことなんだなと、我ながら実感しています。

ただ、そんな私でも、どうしても幸せを感じられない時期もあったりします。
それは必ず、何かに行き詰っていたり、なんとなくダラけてしまっているときです。

つまり、幸せであるためのポイントは…

「夢や希望や目標に、少しずつでも近づいているという”実感”を持てるかどうか?」

…にあるのではないかと思うのです。

そう考えれば、AKB総選挙での不思議な現象も、拉致被害者のご家族の苦しさも理解できるのではないでしょうか?
やはり、明らかに横田さん一家は不幸だったのでしょう。きっと、重度の障がいを抱えた子を持つ親たちや、子供が欲しくても子宝に恵まれない夫婦や、そもそも結婚すらできない適齢期を超えた人たちよりも誰よりも…。

横田滋さんのご冥福をお祈りします。

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