先天的無限性
チビ(低身長)やブサイクや極端な色白・色黒など、"先天的な短所"を持つ人は大勢います。ですが、そういった修正不可能な点を除けば、その他のことはどうにでも向上できます。
すでにある長所はさらに伸ばし、その他の長所も次々と増やし、今ある短所ですら新たな長所に変えてしまう。そうやって獲得したたくさんの長所を無限に伸ばし続けることができるのです。
しかし、この"コンプレックス"という不愉快な感情は、とらえ方によっては、何か行動を起こすときのモチベーションを後押しする原動力にもなるのです。
この原動力を最大限に発揮して、長所を無限にまで延ばし、増やし続ける能力を「先天的無限性」と言います。
『蜜柑寮』の著者である木ノ下涼氏は、チビで老け顔で、以前はそんな自分に大きなコンプレックスを持っていたそうです。中学生の頃のあだ名は「子どもおじさん」だったらしく、自分は「女の子には絶対にモテない」と決めつけてひどく悩んでいたそうです。
とはいえ、まだまだ中学生です。(恋愛は無理でも、大人になれば結婚ぐらいはできるだろう...)と漠然と思っていましたが、基本的には「自分の人生に恋愛というものはあり得ない」と、完全に"あきらめて"いたそうです。
それでも、やはり"あきらめきれない"気持ちもあり、(せめて身長だけでも)と思い、高校に入ってから色々な長身法を試しましたが、高校三年間で伸びた身長はわずか1センチ...。
しかし、そのころの彼はすでに"異性からモテたい"欲求へのモチベーションはマックスに高まっていました。そこで、"チビと老け顔"についてはあきらめて、それ"以外"の部分を向上させようと考えます。そして、トーク力や洋服のセンス、へアスタイル、筋トレなど、モテるために良いと思われる、さまざまなことに取り組んだそうです。
- 服装のセンスを磨く
- 毎日のヘアスタイルを意識する
- スポーツをして逆三角形の体型をつくる
- 男女問わず、自分から積極的に人に話しかけてトーク力を磨く
色々なことに取り組んでいるうちに、まったく予想していなかった事実も判明しました。たとえば、"チビ"はモテない要素の一つなのは確かですが、「チビは目線が低い分、女の子から警戒心を持たれにくい」という傾向があることが分かりました。
実は、この"警戒心を持たれにくい"という性質はナンパに向いているんです。(彼は、のちのち"やり手のナンパ師"になりました。)女の子に声をかけたとき、"シカ"とされずに何らかのリアクションを返してくれる確率は、身長が高いナンパ男の比ではありません。(ナンパは、何でもいいのでリアクションさえ返ってくれば、とてもやりやすくなるそうです。)
また、チビは初対面で"なめられる"ことが多いため、中味がシッカリしていると意外性を出しやすい傾向が強いことも分かりました。つまり、最初の時点でハードルが低く設定されるため、軽々とハードルを乗り越えることで「あの人はスゴイ!」と思われやすいということです。当然、意外性は、女性から見た"男としての魅力"にもつながりますので、相手の身長にあまりこだわらない女性からは恋愛対象に見られやすくなります。
そして、これらの取り組みを通して得られた成果は、他にもたくさんあったそうです。たとえば、積極性な性格になったことや、基本的な"自信"が身についたこと、ナンパ技術などがそうです。これらはまさに、努力した結果の"副産物"とも言えるでしょう。
もしも、彼がチビで老け顔じゃなかったら、(身長と顔面"以外"の部分を向上させよう)なんて思わなかっただろうと言っていました。これは、間違いないでしょう。その後、彼は恋愛方面を中心にとても楽しい青春時代を送ることができたそうです。
また、ナンパの経験は、社会に出てからとても役に立っているそうです。ナンパは、いわゆる"コミュニケーション能力"の一つです。加えて、"自己表現能力"の一つでもあります。つまり、初対面の相手に好印象を与え、円滑なコミュニケーションによって相手と親密な関係を築く技術が磨かれたのです。
初対面の相手に好印象を与えることができるので、入社面接などは、たいていの企業で一発合格するそうです。(面接官が女性であればもちろんのこと、男性でもなぜか通用したそうです。)
また、コミュニケーション能力が高いので、仕事もスムーズにいくことが多いです。職種にもよると思いますが、「仕事の七割はコミュニケーション能力である」と言われています。
つまり、先天的なコンプレックス(チビ・老け顔)があったおかげで、人生を生きやすくなったのです。