無償の愛は存在するか? 〜優しい男に振られる女〜
優しい男性の中には「無償の愛」を大切な人に捧げようと考える人がたくさんいます。ネガティブ思考な彼女であれば、誉めたり応援したりして元気を与え、束縛が激しい彼女であれば、彼女の気持ちを優先して出来るだけ一緒にいる時間を増やそうとします。部屋が汚ければ代わりに掃除をしてあげて、料理が下手でも「少しずつ上手くなれば良いよ」と言って安心させたりもします。
無償の愛は存在するか?
ところで...そもそも"本当の意味"で「無償の愛」を持つ男性なんて、この世に存在するのでしょうか?
また、自分の言動によって彼女が喜んでくれることを通して、自分が彼女を幸せな気持ちにさせているという"自己満足感"も、見返りの一つになっている場合もあります。
ですが、(彼自身も自覚していないことが多いのですが)本当に欲しい見返りは別のところにあります。それは「自分を愛して欲しい」という欲求です。男女にかかわらず、全ての人に共通するこの欲求は、あたかも無償の愛を捧げてくれているように見える優しい彼氏だって、例外なく持ち合わせているのです。
- ただ一緒にいてくれること。
- いつも笑顔でいてくれること。
- 自分が彼女を幸せにしているという自己満足感。
- そして、その根底にあるのは「自分を愛して欲しい」と願う心。
優しい男性は、本心では愛されることを望んでいるのに、それを口に出すことは絶対にしません。何故なら「自分は(愛情を)与える側の人間だ」と決めているからです。また、愛されたい欲求は無意識の中にあるので、本人も自覚していないことが多く、当然、言葉として口に出せるはずもありません。
優しい男性は、いつ・いかなる時も彼女の気持ちを最優先に考えて行動します。
(そんなんで本当に幸せなの?)と、疑問を持つ人もいるかもしれません。もちろん、自分の気持ちもゼロではないですが、一緒にいてくれる・笑顔を見せてくれる・自己満足感という見返りをもらえれば、とりあえず何の不満もありません。無理をしている感覚もないし、我慢しているつもりも全くありません。
ある意味、優しい男性は「自分の欲求に対して非常に鈍感である」とも言えます。それはそうでしょう。もしも自分の欲求を満たすことへの優先順位が高ければ、彼女に対してそうそう優しくばかりも出来ませんし、そこまで寛容になれるはずもありません。しょせん別の人間であり、考え方も感じ方も価値観も違うのですから。
(こうしていれば彼女は自分を愛してくれるだろう...。)
という無意識の中での期待を胸に、優しい男性は「優しい男性としてのキャラクター」を確立しているのです。(※くり返すようですが、決して演技をしているつもりはありません。本心を隠しているつもりもありません。ただ、自分の欲求に対して鈍感で、シンプルに彼女を大切に思っているだけなのです。)
- 自分の欲求に対して鈍感。
- 自分は(愛情を)与える側の人間だと思っている。
- 自分には不満はないと思い込んでいる。
- 無理をしている自覚がない。
- 自分の"本当の"欲求を口に出すことができない。
- 無意識の中では"自分を愛してくれること"を望んでいる。
そんな優しい彼氏に対して、あなたはどんなことをしてあげられますか?
「もっと肩の力を抜いて気軽につき合ってよ。」と言ってあげますか? それとも「ちゃんと自分の本音をぶつけて!」と怒ったりしますか?
おそらく、どちらも効果はないでしょう。何故なら、本人には肩に力が入っている自覚もないし、本音を隠しているつもりもないからです。ただ単に彼を困惑させてしまうだけになるでしょう。
結論を言えば、本当の意味での無償の愛は存在しません。彼が優しいのは、ただ一緒にいて欲しいからであり、あなたの笑顔が見たいからであり、あなたの幸せそうな姿を見て自己満足感に浸りたいからです。そして、あなたに愛されている実感が欲しいからなのです。
そんな優しい彼氏に対してあなたが出来ることは「愛には愛、恋には恋、優しさには優しさ」で応えてあげることしかありません。彼が一緒にいたいと思うときには一緒にいてあげて、彼の前ではいつも笑顔でいてあげて、自分が幸せであることや彼を愛している気持ちを、言葉だけでなく"態度や行動"で積極的に伝えてあげることです。(※彼が疑念を抱く前であれば、言葉による愛情表現も有効です。)
「1. 優しい男に振られる女」でお話しした言葉を思い出してください。
そんな優しい彼氏の気持ちに応えて、あなたも同じ気持ちで接することこそが、お互いの信頼関係を盤石にする一番の近道なのです。