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恋人が出来なくて悩んでいます...

 恋人が出来ずに悩んでいます。出会いがないわけではなく、女性ともすぐに仲良くなれるのですが、何回かデートをしてからタイミングを見て告白すると、いつもフラれてしまいます。相手からの返事はいつも「友達のままがいい」とか「人としては好き」といった感じです。少し突っ込んで理由を聞くと「異性としての魅力を感じない」という答えが返ってきます。どうすれば異性として見られて恋人が出来ますか?

(23歳男性)

●回答

 男性によくありがちな悩みですが、こういう悩みに対するアドバイスでよく言われることは「ギャップを見せた方がよい。女性はギャップに弱く、ギャップに恋をするから...」とか「男としての魅力を磨くしかない。たとえば、女性の手を強引に引っぱっていくとか...」などがあります。ですが、悩んでいる本人からすれば、ちょっと(ウーン...。)って感じですよね?

 なぜなら...

(ギャップを見せろって言われても、ギャップが良いってことぐらいすでに知っているし、具体的にどうすればよいのか分からないから悩んでいるんじゃないか!)

(女性の手を強引に引っぱるなんて...本当に、そんなことをして大丈夫なの?...俺は優しいキャラで通っているのに、そんなこと、やりにくくて出来ないよ...。)

...のように思って、結局は何も出来ないからなんです。

 確かに、アドバイス自体は間違っていません。ですが、これじゃあとても相談者の立場に立ったアドバイスとは言えません。ギャップであれば、具体的で、かつ、その相談者に合った「ギャップを見せる方法」を示してあげるべきだし、男としての魅力(男らしさ)だって、まずはその相談者のキャラを考慮に入れたうえで、一から順番に説明してあげるべきなんです。

 ちなみに、私だったら優先順位的に以下のようなアドバイスをします。

むやみに告白してはいけません

 まず一つ目に言えることは「むやみに告白してはいけない」ということです。 そう、むやみに告白なんかしちゃあいけないんです。魅力的でモテモテな男性ならまだしも、そうでない男性が無計画に告白なんかすればフラれるに決まっているんです。
 なぜ告白がいけないのかというと、まだつき合えるのかどうか不確定な状態で、相手に"YESかNOか"の判断をせまることになるからです。相手に少しでも迷いがあれば確実に"NO"の返事が返ってくるんです。

 このときの女性の心の声はというと...

(えっ、つき合うかつき合わないかの決断を今しなくちゃいけないの? もしもYESと言ったら、これからは、この人にキスされたり一緒に寝たり、いろんなことされるのを断りにくくなっちゃう...)

 あなたが女性に告白するとき、いつも"重たい空気"が流れませんか?
 もしかしたら気がついているかもしれませんが、重たい空気が流れているときは100%の確率でフラれます。だからと言って、無理して軽い感じで告白すれば良いというものでもありません。
 このとき流れる重たい空気の正体は以下の2つです。

  • ①.あなた自身の緊張感
  • ②.相手の女性の困惑

 あなた自身の緊張感は、軽い感じで告白することで多少は軽減できるかもしれませんが、相手の女性の困惑をあなたがコントロールするのは不可能です。そして、女性が困惑しているということは、多少なりとも(友達の方が良いかも...?)という気持ちが潜んでいることを意味しています。

 つき合うのかつき合わないのか白黒ハッキリさせたい気持ちは分かりますが、この状態では相手に「あなたのあせり」を伝えてしまうだけです。一般的に女性は余裕のある男性を好みますので、こうして焦りが伝わってしまうことも告白が失敗する原因の一つになっています。

≪point.1≫
  1. 告白をして白黒ハッキリさせたい気持ちが、相手に"あなたの焦り"を伝えてしまう。
  2. 一般的に女性は"余裕のある男性"を好むため、あなたの焦りは確実にマイナスに働いてしまう。

 世の中には、いわゆる「自然な流れでつき合い始めた」告白が無かったカップルがたくさんいます。たとえば、こういったカップルが初めてのキスをするのは、良いムードになったときなど、それなりの条件が調ととのう必要があるわけですが、

 そのときの女性の心の声は...

(ついつい、ムードに流されてしてしまった。この先もムードが良いときだったらキスしても良いかな。告白があったわけじゃないから、この人と恋人同士って確約しているわけじゃないし、ムードが悪かったら断っても自由だよね。でも、今のキスは気持ち良かった。私、この人のこと好きになっちゃうかも...?)

...のような感じでしょうか。

 一般的に、女性は"責任を取りたくない"気持ちが強い生き物です。
(※ もちろん個人差はありますが、とりわけ男女の恋愛関係ではその傾向が強く表われます。)
 これは、原始時代の十数万年ものあいだ受け継がれてきた、男女の役割分担の違いが関係していると言われています。男たちが狩りに出かけたあと、女たちは野草や果実などの採集に出かけるわけですが、効率良く収穫するためには、集団における協調性がとっても大事だったからです。もしも、一人だけ協調性を乱す行動をして責任を問われ、周囲から責められ孤立してしまえば、それはすなわち"死"を意味します

 そして、この"責任を取りたくない"という気持ちが、"態度や意志を明確にしたくない"という意識につながるのです。"YESかNOか"の決断を性急せいきゅうにせまってくる相手に対して、NOの気持ちが1ミリでもあれば、迷わずNOの返事をしてしまうのです。
 つまり、人としての魅力はあっても男としての魅力が少ない男性が女性を誘うときは、NOの返事はもちろんのこと、YESの返事でさえ、なるべく"言葉で"言わせないようにすることがポイントになってくるのです。

 女性を対象とした「好きな男性のタイプ」のアンケート結果の中に「強引に引っぱってくれる男性」という回答があります。強引に引っぱってくれる男性がモテる理由は、後になって何か都合の悪いことになったときに「強引に誘われたから仕方なく...」と言い訳できる状況をあらかじめ作ってくれる男性だからです。自分の態度や意志を明確にしないで済む状況を作ってくれる男性だからです。
 裏を返せば、自分の代わりに責任を負ってくれる「頼りになる男性」、"責任を持つ・責任をとる"という、女性が苦手なことを積極的に引き受けてくれる「男らしい男性」とも言えるわけです。
(※ 強引にいって失敗するケースは、"相手が望んでいないこと"に無理やりつき合わせようとしたり、相手がそれとなくNOと表明しているにも関わらず"ゴリ押し"をしてしまった場合です。または、その男性自身にまったく興味がない場合です。)

 それでも、どうしてもキチンと告白してYESの返事をもらいたいのであれば、すでに両想いであることが確信できた場合のみ(=両想いの状態にまで、二人の関係を築き上げてから)にするべきなんです。この場合の"告白"は、すでに両想いを確信した上で"最終確認"するためのものであり、つき合うかつき合わないかの決断をせまるものではありません。

≪point.2≫
  1. 女性は"責任を取りたくない"気持ちが強いため、YESかNOかの決断をせまられると困惑する。(そして、1ミリでも"NO"の気持ちがあれば、迷わず"NO"と答える。)
  2. わざわざYESと答えなくても済む誘い方をし続けることで、自分の代わりに責任を負ってくれる「頼りになる男性」、女性が苦手なことを引き受けてくれる「男らしい男性」という印象を与えることができる。
  3. 告白は、すでに両想いが確信できた上での「最終確認」のためと考えること。

 相談者の場合、デートが出来るということは、少なくても嫌われてはいないし、まったく興味がないと思われているわけでもないのですから(嫌いな男性やまったく興味のない男性とは、特別な用事がない限り、女性はけっして二人きりで会うことはしません。)、告白するよりも先に、どうしたら男としての魅力(男らしさ)を出せるのか?...恋人っぽい雰囲気を作り出すにはどうしたら良いのか?... について考えなければいけないんです。

 恋人っぽい雰囲気を作り出すため、男としての魅力(男らしさ)を打ち出すための、私からのおすすめの方法は、まずは恋愛感情を持っていることを"遠回し"に伝えることです。ダイレクトに「好き」などと言おうものなら"告白"と同じ意味になり、相手に決断をせまることになるのでダメです。たとえば...

「今日のヘアスタイル、とっても似合っているね。〔ちょっとドキドキする...〕」
※カッコの中は独り言っぽくつぶやく感じで。

...などと、言葉(または言葉の一部)を"独り言風"に言う作戦があります。恋人っぽい雰囲気は、これだけでも作り出すことができます。
 独り言風に言う分には、相手は"YES"も"NO"も答える必要がありません。とにかく大事なのは、間違ったタイミングで"決断をせまる"というプレッシャーを女性に与えないことです。

 また、一緒にレストランなどで食事をするとき、何を食べようかあまり迷ってはいけません。1秒でも早く、自分だけでも即座そくざに決めて、相手の女性が迷っていたら「これなんか美味しそうだよね、これにしてみたら?」とすすめてあげます。"決断の早さ"は、男としての魅力(男らしさ)の中ではいちばん簡単に示せる項目です。
 これは食事のシーンだけに限りません。「どこに行こうか?...何をしようか?...」など、イチイチ相手の意見を求める前に、先に自分から提案するのです。「俺は○○したいけど、どうする?」または「俺、○○してみたいなぁ~。行こうよ!」と言ってみて、相手がそれで難色を示したら、そこで初めて相手の希望を聞けば良いのです。

≪point.3≫
  1. 「ドキドキする」など"恋愛感情がなければあり得ない言葉"を独り言風につぶやくだけでも、恋人っぽい雰囲気を作り出すことができる。
  2. "決断の早さ"は、男としての魅力(男らしさ)の中ではいちばん簡単に示せる要素です。

勝負をかけるべきタイミング

 次に言えることは、勝負をかける(=告白する)タイミングを間違えている、ということです。
 これまでの話は、人としての魅力はあっても男としての魅力が少ない男性が、告白をしても良いタイミングについてのお話しでした。何度も何度もデートを重ねて、男としての魅力(男らしさ)をシッカリと伝え、恋人っぽい雰囲気を作り出しながら、なんとか両想いの状態に持っていった後の"最終確認"のつもりで告白する...というものでした。
 つまり、気が遠くなるほど長い時間がかかる可能性があるということです。(※ 恋愛上級者の中には「この過程が楽しい」と言う男性もいますが...)

 将来を見据えた結婚ということであれば、安心感・安定感など他の要素も重要になってきますが、とりあえず恋愛を始めるときに必要不可欠なのはトキメキ(=ドキドキ感)です。

人間関係と恋愛相談
 グラフを用意しました。
『人としての魅力はあるが男としての魅力が少ない男性に対する恋愛感情のグラフの例』です。

(※ 定期的にデートする関係の場合です。また、これはあくまでも一般的な例です。)
(※ 横軸(時間軸)は、連絡の頻度やつき合い方によって異なります。)

 これまでの話の、気が遠くなるほど長い時間がかかるタイミングは、このグラフで言えば9ヶ月目以降ということになります。

 もうお気づきとは思いますが、9ヶ月目以降の他にもう1ヶ所、告白が成功しやすいタイミングがあります。それは"出会った直後"です。

 実は、この相談内容...私(回答者)自身も通った道のりなんです。
 私もかつては「告白は早すぎてはいけない」と考えていました。お互いのことをある程度知ったうえで交際をスタートした方が良いだろうと思っていたからです。また「告白は遅すぎてもいけない」とも考えていました。これは、遅すぎると相手の気持ちが他に向いてしまうんじゃないかと不安だったからです。
 だから、何回かデートをして、お互いのことがソコソコ理解できたタイミングで告白していました。また、告白は「意を決して勝負をかけるもの」だとも考えていました。当然...毎回フラれて、いつまでたっても彼女ができませんでした。

 後々分かったのですが、この考え方はつまり、男である自分が勝手に良いと考えていたタイミングであって、女性が求めるタイミングとは大きくかけ離れていたのです。

 あるとき私は、ソコソコ女の子と遊び馴れている男友達に相談してみました。すると、彼は私にこんなことをアドバイスしてきたんです。

「最初のデートで押し倒しちまえば良いんだよ!...押し倒すのが、2回目のデート、3回目のデート、と後になれば後になるほど、フラれる可能性は高くなるんだから。」

...と。
 さすがに私も(そんなバカな!...いくらなんでもそれはダメだろう。)と思いました。ですが、少しだけに落ちる部分もありました。これまでデートしてきた女性たち...初デートのときと、2回目以降のデートのときとでは、相手の女性から伝わってくる雰囲気が微妙に変わってくることに思い当たったのです。

 2回目以降のデートでは、お互いに馴れてきたせいか、まるで(友達みたいに)リラックスした雰囲気が伝わってきたのですが、初デートのときはどこか緊張感があって...そう、あくまでも感覚的なことなので絶対とは言い切れないのですが、なんとなく初デートのときが一番"恋人同士"っぽい雰囲気が伝わってきていたことに思い当たったのです。

 そして試しに、次に出会った女性から、初デートでムードの良い場所へ一緒に行くようにして、思い切ってキスをしてみたんです。(さすがに"押し倒す"というのは、私にはハードルが高すぎました。)すると...なんとっ!長年の悩みが一気に解消したのです。そう、その女性とは恋人になれたんです。初デートでキスをしたその日のうちに告白をしたら、念願の「YES」の返事をもらえたんです。
 それ以降も、たとえキスが無理だったとしても、せめて初デートで"手をつなぐ"程度までクリアしておけば、ほぼ確実に恋人になることができるようになりました。

 初デートのときは、お互いに新鮮な気持ちを抱いています。女性の方も、まだあなたを"恋人候補"か"友達止まり"か決めていません。少なくても、デートに応じてくれた時点でやや"恋人候補"寄りの感情を持っているはずです。この新鮮な感覚が持続しているうちに、つまり、相手が"友達止まり"のジャッジを下してしまう前に少しでも早く勝負をかけるべきなのです

 初デートのときには、いきなりキスは無理でも、せめて手をつなぐぐらいはしておく必要があります。人ごみの中を歩いているときや、横断歩道を歩き出すときなど、偶然をよそおってでも手を握りにいくのです。
 初デートの新鮮な気持ちのときに、恋人同士でなければ絶対にしない身体的接触を持ち、その流れでその日のうちに告白すれば成功率は極めて高くなるのです。

 ただし、これは相手によっては裏目に出ることもあります。どう見ても真面目そうな女性や、お堅い感じの女性に対してこれをやると、"非常に軽い男"と思われて嫌悪けんおされてしまう可能性があります。そういう女性に対しては、身体的接触は中止して(あくまでも初デートで)言葉で気持ちを伝えるだけの方が良いかもしれません。

≪point.4≫
  1. 勝負を決めるための告白をするのであれば、まだ新鮮さが残っていて、かつ、相手から"友達止まり"のジャッジを下されていない「初デートのとき」にしなければならない。
  2. 初デートのときに、できればキスまで、それが無理ならせめて"手をつなぐ"などの「身体的接触」を持つと、その日のうちの告白の成功率は一気に跳ね上がる。

男としての魅力(男らしさ)とギャップについて

 これで、とりあえず交際をスタートさせることができるようになりました。ですが、異性としての魅力が少ない男性が、この作戦(出会った直後のタイミングを狙って告白する作戦)を使って恋人を得たとしても、その交際はあまり長続きしないかもしれません。
 そもそもの魅力が少ないのですから、相手の気持ちがめてしまうのは時間の問題です。これは仕方ありません。いずれ"化けの皮が剥がれてしまう"でしょう。
(※ ただし、相手が交際を"決めた"ということ自体が、女性のモチベーションにも多かれ少なかれ影響を与えますので、絶対に長続きしないとは言い切れません。)

 つまり、遅かれ早かれ「男としての魅力(男らしさ)」もシッカリと身につけないといけないということです。これまでの話の中でも、男としての魅力(男らしさ)についていくつか触れてきましたが、ここではおさらいも兼ねてキチンと整理していこうと思います。

1.強引に引っぱってくれる男性について...

 女性は、責任を取りたくない気持ちが強い生き物です。また、責任を取りたくない気持ちが「態度や意志を明確にしたくない」という意識にもつながっています。
 強引に引っぱってくれる男性は、後になって何か都合の悪いことになったときに「強引に誘われたから仕方なく...」と言い訳できる状況を作ってくれる男性であり、自分の態度や意志を明確にしないで済む状況を作ってくれる男性でもあります。
 これはつまり、自分の代わりに責任を負ってくれる頼りになる男性、「責任を持つ・責任をとる」という、女性が苦手なことを引き受けてくれる男らしい男性"とも言えるわけです。

2.余裕のある男性について...

「余裕のある男性」とは「自信のある男性」とほぼ同じ意味になります。そして、そのどちらも女性からモテます。
 女性特有の性質の一つに「協調性を大切にする」というものがあります。これもまた、十数万年も続いてきた原始時代の男女の役割分担に関係しています。協調性を乱してしまうと、集団から孤立してはじき出されてしまい、それは女性にとって"死"を意味しています。
 このように、いつも協調性を重んじて周囲に合わせている女性は、あたかも正解を知っているかのように堂々としている人に対して(この人についていけば〔合わせれば〕良い)と思えて頼もしさを感じます。そして、この頼もしく感じる気持ちこそが「男としての魅力(男らしさ)」の一つになるのです。

3.決断力のある男性について...

 これもまた、十数万年も続いてきた原始時代の生き方に関係しています。女性は、失敗をして責任を問われることを極端に恐れます。それゆえ、どうしても慎重になり過ぎて優柔不断になってしまいます。
 そんなとき、目の前の男性の失敗を恐れずに何事もパッパとすぐに決断を下す姿に「自分(=女性)には出来ないことが出来る人(=男らしい男性)」を感じて魅了されてしまうのです。
 ただし、冷静に考えて「あまりにも無謀むぼうな決断をしている」ことが分かると、(この人、大丈夫なのかな?)と逆に不安をいだいて「頼りない男性」と思われてしまうこともあります。料理を注文するとき程度ならそんなこともないでしょうが、何から何まで即決そっけつし過ぎてしまうのは考えものです。

 以上、1~3まではすべて「責任を取りたくない=態度や意志を明確にしたくない=優柔不断になってしまう」という女性特有の性質の"逆"を行くことで男としての魅力(男らしさ)を出す方法でした。

≪point.5≫
  1. 「責任を取りたくない=態度や意志を明確にしたくない=優柔不断になってしまう」という女性特有の性質の"逆"を行くことで「男としての魅力(男らしさ)」を出すことができる。
  2. それはつまり「強引に引っぱっていく男性・自信のある男性(余裕のある男性)・決断力のある男性」である。

4.一本筋が通っている(裏表がない)男性について...

 原始時代の女性が生きるためは協調性が大事だったので、ときには周囲の状況に合わせて自分の態度をコロコロと変える必要がありました。現代では、一人一人の個性もキチンと尊重される社会になってきましたが、それもせいぜいここ数十年程度のことであり、十数万年つづいてきた原始時代からの名残なごりは、今も女性の心理の中に脈々と受け継がれています。
 女性たちは、すぐに態度をコロコロと変えてしまう自分自身に無意識の中で嫌悪感を持っています。そういう態度はあまり良くないことと思っているのです。だから、一本筋が通っている(裏表がない)男性に尊敬の念を抱いて「男らしさ」を感じるのです。
 ただし、一本筋が通っているとはいえ、それが"頑固がんこのレベル"まで行ってしまうのは考えものです。頑固な男性に対しても女性は本能的に魅力を感じてしまうのですが、やっぱりつき合いにくいし、その他の面でもよっぽど魅力がある男性でない限り、最終的には敬遠されてしまうでしょう。

5.大胆な行動をする男性について...

 女性は、自分自身があまり目立ち過ぎることを好みません。あまり注目され過ぎると他人からの嫉妬しっとを買って思わぬわなにはめられる危険を感じるからです。なので、そんな危険をかえりみず、大胆な行動を起こして堂々としている男性に対して本能的に魅力を感じるのです。
 ただし、女性が男性を選ぶ基準は"本能"だけではありません。たとえ本能では魅力を感じていても、その大胆な行動がモラルに反している場合は、(この人に合わせたら自分も周囲から糾弾されてしまう...)と感じて、同時に"危機感"も抱いてしまいます。
 近年、飲食店やコンビニエンスストアなどで問題になっている、不適切動画をSNSにアップロードして炎上する若者たちが良い例です。彼らは、ただ単にウケを狙っているだけのつもりでしょうが、その深層心理には(これで異性からモテたい=人気者になりたい)という気持ちも潜んでいます。ですが、あれでは完全に裏目に出てしまうのも当然です。

6.自立している男性について...

 女性は、周囲と協調しながら生きていく生き物です。そのためには、みずからが自立することよりも周囲に溶け込むことの方が大事だったりします。そして、出来れば、誰か自立している人に寄り添って、いっしょに歩いていきたいと思っています。
 もはや説明する必要もないかもしれませんが、女性は、結婚や恋愛に対して「いっしょに力を合わせて生きていく」という感覚だけでなく「この人に寄り添って生きていく」という感覚も持ち合わせています。それができる男性に対して、女性は男としての魅力(男らしさ)を感じるのです。

7.肉体的な強さを持つ男性について...

 女性の身体つきは、全体的に丸みを帯びていて、かつ、皮下脂肪ひかしぼうがついているために、さわるとフワフワと柔らかい触感しょっかんがあります。中には、ダイエットに成功して(ダイエットし過ぎて)皮下脂肪なしで細っそりとした体型の女性もいますが、体質として、男性よりも女性の方が脂肪がつきやすい傾向があります。
 逆に、男性の身体つきは、全体的に角ばっていて、かつ、脂肪よりも筋肉が多くついているために、触るとゴツゴツとした硬い触感があります。中には、食べ過ぎや怠惰たいだな生活習慣によって脂肪太りの丸っこい体型の男性もいますが、そういう男性は基本的にモテません。体質として、女性よりも男性の方が筋肉がつきやすい傾向があるにもかかわらず、脂肪太りで丸っこい体型では「男としての魅力(男らしさ)」は限りなくゼロに近いとも言えます。(※ ただし、太っていると大きく見えるので、"身体が大きい"という点では"男らしさ"に一つにはなります。)

8.精神的な強さを持つ男性について...

 女性は、一つのことに長いあいだ努力し続けるよりも、努力する対象を臨機応変りんきおうへんに変化させていくことに長けています。原始時代で言えば、集団生活の中で時々刻々じじこくこくと移り変わる"流行"に敏感に対応しなければいけないのですから、これは当然のことです。
 逆に、男性の場合はやることは一つです。狩りに出て獲物を捕まえることです。そのために、ひたすら肉体を鍛えたり、獲物を捕まえるための技術を磨き続けることが求められていました。また、男性は、狩りに出て危険な猛獣と戦う機会があることから、リスクが高いことでも挑戦する勇気を持つことも必要です。よって、一つのことにひたすら熱中したり、あらゆる困難に立ち向かう勇気を持つことは「男性であることの象徴」でもあったのです。当然、そういった"精神的な強さ"を持つ男性に対して、女性は、男としての魅力(男らしさ)感じるのです。

≪point.6≫
  1. 協調性を重んずる女性特有の性質の"逆"をいく、一本筋が通っている(裏表がない)男性、大胆な行動をする男性、自立している男性も、男としての魅力(男らしさ)を持つ男性として女性から高く評価される。しかし、頑固すぎたり、モラルに反した行動をするとマイナスポイントとなってしまうので注意が必要。
  2. 全体的に丸みを帯びて柔らかい身体つきの女性とは逆に、角ばっていて筋肉隆々の男性も、男としての魅力(男らしさ)を女性に感じさせる。
  3. 流行に敏感で、努力する対象を臨機応変に変えていく女性とは逆に、一つのことにひたすら熱中する男性や、困難に立ち向かう勇気を持つ男性も、男としての魅力(男らしさ)を女性に感じさせる。

 ここまでに紹介した男としての魅力(男らしさ)は、すべて女性特有の性質と真逆な要素でした。ここからは、一般的に言われている「少しおもむきの違う要素」について考えてみましょう。

9.笑顔が素敵でいつも優しい男性について...

 人としては好感を得られますが、これは女性にも多く見られる性質であり、女性特有の性質の逆ではありません。一般的にも、これが男としての魅力(男らしさ)として語られることは少ないようです。よって、取り柄とりえがこれしかない男性は、ただのいい人扱いで終わってしまう可能性が大です。

10.何でもすぐ忘れてしまう男性について...

 一般的に、日常生活の中でのささいな出来事など、男性よりも女性は細かいところまで良く覚えています。(これは男性脳と女性脳の違いが原因と言われています。)女性特有の性質と真逆が良いからといって、何でもかんでもすぐに忘れてしまう男性に対して、女性は(私に興味がないのかな?)とか(ただのバカなのかな?)と思うだけで、けっして魅力を感じることはありません。

11.心が繊細な男性について...

 これも女性に多く見られる性質であり、男としての魅力(男らしさ)とは言えそうにありません。また、一般的に、男性は自分の心が繊細せんさいであることを、あまり周囲に悟られないようにしています。それを知っているのは、親友や恋人や家族に限られるのが普通です。
 また、繊細の逆は大胆だいたん(大ざっぱ)であり、女性たちは"男性とは大胆(大ざっぱ)な生き物である"という先入観を持っています。にもかかわらず、自分の恋人(男性)の心が繊細であることが分かったとき、一般的な男性のイメージとのギャップ効果が生まれるのです。
 そして、"心が繊細な男性=心が優しい男性"というイメージにつながり、けっして男としての魅力(男らしさ)ではないにもかかわらず高い評価を受けることになります。

 つまり、女性特有の性質の逆が良いからといって、それが"悪い要素"になってしまえば魅力にはならないということです。また、笑顔が素敵でいつも優しい男性についても、それが通常運転であれば、やはり男としての魅力(男らしさ)にはなりません。ところが、上記の例の心が繊細な男性のように、その相手を深く知ることで見えてくる要素は、たとえ男としての魅力(男らしさ)ではなかったとしても、ギャップ効果が生まれて高い評価を受けるのです。

 ここからは、ギャップ効果についてもう少し掘り下げてみたいと思います。
 以下の2つの文章を読み比べてください。どんな感じがしますか?

  • ①.ロリコン変態男が、実は、やり手の青年実業家だった。
  • ②.やり手の青年実業家が、実は、ロリコン変態男だった。

 どちらもかなり衝撃的なギャップだと思いますが、果たして、どちらにより良い印象を受けますか?
(※ ロリコン変態男の時点で両方ともダメダメですが、強いて言えば...です。)

 当然、①番だと思います。
 つまり、何が言いたいかというと、見せるギャップは普段のイメージよりも好印象なものにしなければならないということです。これがギャップ効果の基本です。効果的なギャップは、もともと悪いイメージを持つ人(または、印象が薄い人や、これまで何とも思ってなかった人...など)が"良いイメージの魅力"を最初に出したときに生まれるのです。

≪point.7≫
  1. 女性特有の性質の逆が良いからといって、それが"悪い要素"になってしまえば魅力にはならない。
  2. 効果的なギャップは、"良いイメージの魅力"を最初に出したときに生まれる。

回答者:木ノ下涼